
ラファール
主人公。元は星間難民だったが、プライベートで難民キャンプのボランティアをしていた研究員によって見出され、EX級ネメシス「ニーズヘッグ」の因子の適合者として選ばれ、妹と共にヴァルハラシティに招かれた。
武器は特製の巨大な両剣。EX級ネメシス「ニーズヘッグ」の因子による圧倒的な破壊力に耐えられる武器をひたすら試して探した結果、大人の身の丈よりも大きなこの武器に決まった。
幼少期は裕福な家庭に生まれ、両親から英才教育を施されていたが、父親がスペースデストロイヤーに狙われてからは生活が一転。故郷の惑星・ブランシュ-Ⅳを離れ、逃亡生活を余儀なくされる。逃亡の果てに両親を失ってからは星間難民になっていたが、前述の通りの経歴を経てヴァルハラシティで妹と共に暮らす。
荒波のような半生により、早くして大人にならざるを得なくなり、様々な世渡りの術を習得した早熟な少年。父親譲りの宇宙生物の知識と、母親譲りの技術力を持つ。そこにEX級ネメシス「ニーズヘッグ」の因子も加わり、文字通り文武両道の神童と化した。
…にも関わらず、彼自身は自分の能力や才能に無頓着で、その辺の学生たちのように順風満帆な生活を送りたかったと思っている。しかし、仮に自分が普通の学生だったとしても、その身に宿る能力や才能がそれを許さなかっただろうとも考えている。
EX級ネメシス「ニーズヘッグ」の因子により暗闇で目が光り、全身には“龍の炉心”への接続経路が青く光るラインとして走っている。前述の怪力と脳の演算装置化、本来なら特殊な観測機器を使わないと検知できない空間の歪みを肉眼で検知できる等の能力を持つ。その代償として片目を失明しており、前髪で隠している。本人曰く厨二臭くなるから眼帯は付けたくないらしい。とはいえ、この程度の副作用で済むのはありえないらしく、研究者達からは不思議に思われている。
因子を移植された者共通の特徴として、因子の源流となったネメシスの特徴を理解する事で、その力をより上手く活用できるようになるというものがあるが、元々持っていた知識というアドバンテージがあるのも彼の非凡な才能の秘訣である。
星間難民時代は母親から学んだ技術を活かし、ジャンクパーツから組み上げた電子機器を売って生計を立てていた。その時の経験を活かし、ヴァルハラシティに来てからはPCパーツショップのバイトを副業にしている。
彼がVIP待遇で入隊した事は伏せられているが、普段は強硬な上官や政府高官達が彼の前ではビビっているため、同僚はおろか一般市民にさえも彼が特別な存在であることがバレている。
ただでさえファイノメナは政府高官と同レベルの権威と影響力がある上に、因子の移植だけで何百人もの犠牲を出している呪われた因子に軽々と適合、しかも史上最年少でファイノメナとなったせいか、軍や政府の関係者からの扱いは完全に上位存在のそれ。「因子のみならず、龍本体も多くの人の命を奪った代物だから仕方ない」と本人は諦めているが、自分とその龍を同一視するような言動はやめてほしいと思っている。そのため、同年代の他の隊員、行きつけのカフェのオーナー、スラムの少年少女など、自身の素性をよく知らない人と交流する事が多い。特に若くして入隊した隊員やスラムの若者には同情的で心優しいため気に入られている。
政府からは、ヴァルハラシティへ招かれた時点で巨額のクレジットポイントを受け取っており、それ+今後のラファールの稼ぎで、奨学金に頼らなくても妹の学費を賄える見込み。
しかし、因子の移植に関わった研究者達からは、その目茶苦茶な才能と能力、そして何よりもあの呪われた因子に軽々と適合したことから、ラファールが本当に正気なのか、本当に人類なのか疑われている。